自社のDX事始め、どう進めるか
今回の授業の先生
WEB活認定コンサルタント
村上 出(むらかみ いずる)
執筆コラム
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今週の授業
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と言う言葉がメディア等でも頻繁に使われる様になったのは、ここ3年程度でしょうか。
皆さんの会社でも、DXの取組みを推進されている企業は増えてきているのではないでしょうか。
【DXは、単なるトレンド?】
経済産業省がDXレポートとして「2025年の崖」を発表したのが、2019年3月でした。
では、それまでビジネストレンドとしては、どの様な事が話題だったでしょうか?
いまの「DX」と似たような取り上げ方をされていたキーワードに「IoT」がありました。
最近はメディアでも「IoT」と言うキーワードは以前よりも目に付かなくなってきたようにも感じます。当たり前になったから、メディアで取り上げられなくなったのなら良いのですが、もしトレンドで無くなったと言う事なら、残念な事ですね。
先程、「IoT」が「DX」と似ていると述べましたが、どの点が似ているのでしょう。
当時、「IoT」はメディア等で取り上げられ、その結果、経営層の中には、他社がやっているから自社も「何か取組めばよい」と言う程度の理解で担当者をアサインし全社取組みとしたものの、これらの推進を試みた多くの企業が、IoT取組みで失敗しました。
いま、同様に「当社もDXに取組む」として、担当部署に任せている企業もまた、DX活動に行き詰っています。
IPA(情報処理振興機構)の取りまとめによれば、各企業が競争力維持・強化のためにIoTやDXに取組むも、概念実証や戦略の仮説・検証を繰り返すまでで、実際のビジネス変革には繋がっていないと言う実状の企業が多いと指摘されています。
この要因の一つとして、経営層の取組み影響しており、自社の取組みとしてビジョンや全社目標を立てて、何時までに何を取組むのかを経営層が打ち出していない場合に、成功していないケースが目立つ様です。これは、以前、各社がIoTに取組みしたものの、成果に結びつかなかったケースと類似しています。要は、DXは先ず経営層が羅針盤を示すことが重要と言えるでしょう。
【企業におけるDX取組みとは】
各社のDX取組みにおいては、次の様な不安や課題を抱えながら取組みを進めている企業も多いとの事です。
①自社のDX取組みは正しいのか?
②DX推進に向けて何をしたら良いのか?
③数年取組みを進めている中で、進展しているのか?
如何でしょうか?皆さんの企業でも同じ様な悩みや不安を感じておられないでしょうか?
そこで、IPAでは各社がDXに取組む上で参考となるガイドラインや評価基軸となるDX指標を策定し公開しています。
「DX推進ガイドライン」は2部構成となっており、「(1)DX推進のための経営のあり方、仕組み」と「(2)DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築」となっています。
特に(1)では、DX推進のためには先ず経営層がビジョンを策定し、コミットし、体制を構築するとともに、意思決定を如何にスピーディーな仕組みとするかなど、具体的に踏み込んだ指針となっています。
【DX指標に基づく自社評価】
一方、DX指標は、自社がどのレベルにいるのかを客観的に評価するのに用い、基本的に自己診断が出来るようにexcelの帳票ををダウンロード出来る様になっています。
各設問に対して、自社がレベル0~5のどの段階に位置しているのかを理解し、また今後何をどの様に取組むことで、レベルがUPするのかが把握出来る様になります。
このように、現在のレベルと具体的に3年後など将来の目標とのギャップを理解することで、在りたい姿を目指すために何に取組み、その為には、どの程度の投資が必要なのかなど具体的な活動計画に落とし込むことが容易となります。
また、この自己診断結果をIPAに提供することで、客観的な評価を受けることが出来、その様なアドバイスを参考に、以降の取組みに活かして行く事も可能となります。
【DX先進企業のアンケート概要】
この自己診断に取組んでいる企業に対し、IPAでアンケート調査を行ったところ、概ねDXに取組んでいる企業は成果に繋がっていることを実感している割合が毎年増えてきているとの事です。
また、経済産業省系の独立行政法人である、中小企業基盤整備機構が実施したアンケート調査によれば、各社が取り組んでいるDXの具体的な内容として、「ホームページの作成」「営業活動・会議のオンライン化」「顧客データの一元管理」が上位3項目でした。
「ホームページの作成」については、既に構築されているが、アクセス解析やCRMなどデジタルデータを活用する事をDXとして、取組みしていると言う事と推測します。
【まとめ】
DX取組みは、企業の内部から強くする効果が期待出来る一方で、自社がどの様に取組んで行けば良いのかは、初めから答えがある訳では無い取組みのため、とっつきにくい活動とも言えます。
IPAでは、中小製造業向けのガイドラインやDX指標なども公開しており、この様な無料の知見を上手く活用することで、自社のDX取組みを加速して行って頂ければと思います。
このメルマガでは、十分にお伝え出来ていない事もありますが、丁度今月のオンラインセミナー(無料)では、「DXの取組み方と、先ずその前に理解すべきこと」と言うテーマで短編の動画配信を行いますので、そちらも参考として頂ければと思います。
皆さんの事業活動に少しでも参考になれば幸いです。
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