生産管理の見える化について。

WEB活用の教科書

今回の授業の先生



WEB活認定コンサルタント
村上 出(むらかみ いずる)

執筆コラム

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  • 【質問】中小企業におけるBCP対策の重要性について - 20230412中小企業におけるBCP対策の重要性についてご説明いたします。
  • インボイス制度・電帳法の対応策は賢く安く! - 2023/04/10インボイス制度・電帳法の対応策についてご説明いたします。
  • 【質問】スマホアプリの導入・活用ポイントを教えて下さい - 2022/10/12各社のサービスなどに特化したスマホアプリは、ご認識の通り、集客・サイトへの流入に活用するのが、ポピュラーな用途と言えるでしょう。これは、サイト自体が情報発信力が無いため、SNSや動画などから流入数を増やす取組みと、同様の目的となります。
  • 自社のDX事始め、どう進めるか - 2022/10/5 皆さんの会社でも、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の取組みを推進されている企業は増えてきているのではないでしょうか。自社のDX事始めについて解説します。
  • 【質問】Googleマイビジネスに代わる無料の新サービスについて - 2022/4/13 「Googleマイビジネス」のウェブヘルプなども全て「Googleビジネスプロフィール」に転換されるほか、スマホアプリも「Googleビジネスプロフィール」に切り替わるため、ダウンロードとインストールをお薦めします。

今週の授業

昨年あたりから、製造業の方からのご相談として、原価管理と生産管理に関する問合せが増えて来たと感じています。
  
【主に製造業における、原価管理とは】
「原価管理」は、従来経理・財務部門の方がデータを取りまとめて、経営会議での管理指標として活用されておられた企業が多かったのではないでしょうか?
しかし得られる実績データは、当月の収支に基づく売上額や仕入額・販売管理費などの経費と人件費と言った、全社もしくは部門別・地域別の情報であり、必然的にグロス(総計)での管理が限界でした。
ところが近年は、顧客との売価(値上げ)交渉の裏付けデータとしても重要視される様になって来たことで重要性が高まるとともに、昨今のIoT技術の浸透・活用拡大により、リアルタイムで現場の実績状況も手に取る様に、分析・評価が可能となって来ました。
但し、既存の基幹システムにIoTツールからデータを取込み、全社情報として取扱う事がポイントとなります。
  
【製造業の生産管理とは】
一般的な生産管理システムでは、受注情報もしくは自社の計画生産情報に基づき、在庫情報と必要数の差分から必要な部材・部品を調達し、自社生産や外注加工などの計画を立て、アセンブリを組立て出荷品としてロット管理する一連の情報を予実/品質管理する活動を指します。
その一方「生産管理」は、大手企業含め基幹システムを利用している現場であっても、充分にその機能をフル活用されておらず生産指示(生産計画)機能は活用していても、正しい実績データを活用して分析・評価出来ている企業は、大手企業含め、余り多くないのではないでしょうか。
  
【生産現場の課題と解決策】
特に中小企業様からの「生産管理」に関連する相談内容として増えて来ているのは、生産状況の”見える化”ですね。
つまり、生産指示に基づき、利用するマシンや担当者がアサインされ、その計画に対する予実・進捗状況の見える化です。
従来は、ホワイトボードに付箋を貼ったり手書きしたりと、各社・現場で色々な工夫をされて来ました。
数年前から、生産管理システムにスケジューラと言う機能が追加される様になりましたが、近年は更に生産管理システムを導入していない中小規模の事業者からのニーズの高まりに伴い、スケジューラ機能だけのアプリの登場で、この様な煩雑な作業が解消され、各担当者の実績入力方法も勘弁化された事などにより、リアルタイムでの予実管理も可能となり、現場担当者間での情報共有も日常作業の”普通”になり、社内の活性化を促す切っ掛けにもなりつつあります。
  
【中小企業のデジタル化の恩恵で重要な事】
この様な情報も、IoTの活用とクラウドシステムを活用したサービスの登場により、安価で且つリアルタイム性と精度の高い経営分析が実現可能となって来ました。
現場での実績入力方法も、従来に比べ簡便化された多くのサービスの登場により、生産管理システムを導入するまでもなく、先ずは現場の課題を解消する事と現場のスタッフが同僚同士でも担当する作業や進捗状況を自然に共有出来るようになり、担当替えや段取り作業などを含めた作業計画の繰替えなどのについても意見交換し易くなることが期待されます。
つまりデジタル化の浸透は、現場スタッフも自分達の作業が便利になるなどのメリットを感じて、自分事として捉える事により、現場の工夫も織込んだ自社ならではの改善に繋げて行くことが可能となってきます。
  
【まとめ】
以前より便利になったり、ムダ・ムラ・ムリが減ることで、同じ生産量に対する作業時間が短縮化出来れば、すなわち効率向上が実現出来た事になります。
その空いた時間で、例えば次の課題解決策の検討や時短に繋げる事なども可能となります。
解決策の検討からP・D・C・Aサイクルが廻せるようになり、これまでとは異なる視点や発想で業務を見直す事が出来れば、ビジネスモデルの変革であり、DX活動にも繋がって行く入口とも言えるのでは無いでしょうか。
DXは経営層の方針が示され、現場の活動により、ビジネスモデル変革を目指す活動ですが、この様に具体の活動は、現場の困り事を解決することを通じて現場担当者が小さくても成功体験を積み上げて行く事が重要となります。
経営層の方針が示されれば、先ずは現場の困り事を定義し、少しづつでも解決の糸口を見付て取組みを着手することが重要となります。
皆さんの事業や業務でも、この様な視点・考えに立ち、課題に取組む事で少しでも改善のヒントになれば幸いです。

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