見方を変えて自社サイトを評価してみよう

WEB活用の教科書

今回の授業の先生



WEB活認定コンサルタント
並木 博(なみき ひろし)

執筆コラム

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今週の授業

Googleアナリティクスの新バージョン「GA4」が2020年10月にリリースされ、旧バージョンの「UA(ユニバーサルアナリティクス)」との違いに馴染めずにずっとUAを使い続けてきた人も多いと思います。
実は私もその一人です(笑)
 
企業のWeb担の方からは「GA4に直帰率が無い」や「いままで見てきた指標が無い」といった声が今も多く聞かれます。しかし、正式にUAのサポートが2023年7月1日で終了するとアナウンスされてしまったので、早急にGA4に移行しなければならなくなりました。
 
GA4を導入するにあたり、メリットやデメリット、無くなったり変わってしまった指標など様々な考え方や影響が考えられますが、今回は直帰率について最近私が思ったことをご紹介します。
 
 
▼早めに行った方が良いこと
まだしばらくはUAを使っていたい方も、GA4のタグを作成しGA4でのデータ収集を開始してください。
GA4は導入前のデータはUAから引き継がないので出来るだけ長い期間のデータを取得する為です。
 
【参考】
https://support.google.com/analytics/answer/9744165?hl=ja
 
UAとGA4は並行してデータ収集させることができるので、早めに導入することをお薦めします。
 
 
▼直帰率の考え方
GA4では、UAにあった複数の指標が削除または変更され、新たな指標も登場しました。
特に直帰率が無くなったのは、リリース時に大きなニュースとなりました。
 
私も直帰率はネガティブな指標の代表のように捉えていて、直帰率を下げる事を重要視していました。
しかし「直帰」という動作に対して違和感があったのも確かです。
「直帰」は、Webサイトにアクセスした後、他のページに移動せずに離脱したということです。
「直帰」の中には、閲覧者が
 ×見た目のイメージが合わない
 ×探している情報が無さそう
 ×信用できない
等の理由で離脱した悪い意味の離脱の他に
 ○掲載されていた電話番号に電話した
 ○営業時間が分かったから離脱した
 ○掲載されている情報で目的が達成できた
という良い方向での離脱もありますが、どちらも混ざっているという曖昧な部分があります。
 
また、近年、トップページ完結型のWebサイトやスマホアプリ(多くがブラウザでコンテンツを表示している)が増える中で、はたして「1ページしか見なかった」という数値がどれだけの意味を持つのか考えると、目安として使う事にも疑問が生じてきます。
 
一方、直帰率と入れ替わりで登場した「エンゲージメント率」は、「エンゲージメントセッション」の割合です。
また、エンゲージメントセッションは、
・10秒を超えて継続
・コンバージョンイベントが発生
・2回以上のページビューやスクリーンビューが発生
の何れかの条件に該当するセッションの数です
 
さらに、アナリティクスヘルプには「直帰率」について「エンゲージメントのなかったセッションの割合」と記載しているページもあります。
https://support.google.com/analytics/answer/12195621
(アナリティクスヘルプ 2022年7月9日時点)
 
従来の(UAの)「1ページだけ閲覧し離脱した」よりも、10秒以上見た、スクロールしたなどという「ユーザーの操作が行われたセッション」を区別することができるという点では、エンゲージメント率の方がUAの離脱率よりネガティブな要素を正確に検出できるのではないでしょうか。
 
新しい指標の方が、より正確に、意味のある数値を提供してくれる。そう考えるとUAで使われていた「直帰率」が無くなった事にも納得できると思います。
 
 
▼まとめ
GA4は指標も使い方もUAから大幅に変わり、最初は非常に使いづらく感じると思います。
しかし、UAのサポート終了が決定しているので、GA4に慣れるしか道はありません。
そこで、UAで慣れ親しんだ指標の完全な代用品を求めるのではなく、GA4の指標の持つ意味と有用性を理解し、今までとは少し違った視点で自社サイトを評価するようにしてみてはいかがでしょう?
思わぬところに改善点や効果的な手法が見つかるかもしれません。
まだGA4に対応していない方は、ぜひ早めに導入してみてください。

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