【質問】B2Bの受発注取引をWebで効率化したい

WEB活用の教科書

今回の授業の先生



WEB活認定コンサルタント
重藤 進二(しげとう しんじ)

執筆コラム

今週の質問と回答

【Q】
B2B向け製造業を営んでいます。今後早いうちに注文の増加が見込まれます。受注処理を効率的に行うようにするため、Webサイトを制作してオンライン化を短期間で進めたいと考えています。注意すべきポイントを教えてください。
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【A】
B2Bの受発注取引の場合には、一般のECサイトとは異なる検討事項があります。したがって、受発注用Webサイトの作成には、しっかり要件定義・設計を行うべきです。ただし、短期間での導入が必要とのことですのでB2B向けの受発注クラウドサービスを利用することも選択肢の一つです。その際も、導入にあたってのポイントを踏まえ、慎重に検討したほうがよいでしょう。
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→受発注で何を効率したいのか
B2Bの取引については、顧客との接点だけでも、製品案内→引合→概算提案→NDA締結→正式提案/見積→契約交渉→契約締結→出荷調整→出荷/検収→請求→入金といった多くの業務がかかわってきます。
受発注取引について、特にどの業務に負担がかかっているか、受注担当者に確認しましょう。
例えば、
・集客時点での提案に稼働がかかっているのであれば、製品カタログをデジタル化したり、お問合せフォームの工夫を優先します。
・受発注処理の際の見積書・発注書・契約書のやり取りに稼働がかかっているのであれば、お客様との商取引の情報をWebでやり取りすることを優先します。
 
→利用者となる顧客はだれか
対象顧客は限定された企業なのか、潜在顧客を含めた多数の企業なのかも検討すべき点です。取引実績があるなど信頼関係のある顧客を対象とするのであれば、Webサイトは会員向けとした
ほうがよいでしょう。
従来電話やFAXでやり取りしている場合はもちろん、顧客には会員ID管理やログイン等の負担をかけます。しかしながら、
 
・不特定多数には見せられない詳細な製品情報を提示できる
・会員のアクセス状況を確認して、顧客に応じた提案やWebサイト改善ができる
 
といった点で顧客への利便性が高められます。
  
一方、不特定の企業からの取引が多いのであれば、公開サイトに製品情報を掲載して、お問合せしやすくすべきでしょう。
なお、会員サイトと公開サイトで掲載する製品の情報量や内容を変更することも、一般に可能です。
 
→B2Bの商慣習への対応
B2Bの商取引については、B2Cにはない業界特有の商慣習があることが多いです。
Webサイトを検討する際には、こうした商慣習がIT化できるのか、事前検討を行っておく必要があります。
 
→社内業務とどのように連携するか
受発注取引は、生産、調達、在庫管理、財務等様々な社内業務と関わってきます。
受発注業務と社内業務について、データの流れを確認し、手作業や二重入力が極力発生しないよう、社内業務全体のデジタル化を念頭に置いて計画的に進めるべきです。
しかし、早い段階での受発注処理の効率化が求められているということなので、特に負担のかかっている部分はシステム化を早期に進め、それ以外の部分はデータ連携するとか、手作業を許容するなどを検討することが必要です。
いずれにせよ、現状の業務プロセスのつながりやデータの流れを可視化しておくことが重要です。
 
→クラウドサービスを利用する場合
B2B向けの受発注についてはクラウドサービスも多数提供されています。短期間で利用開始が必要、もしくはサイトの開発を行う余裕がない場合にはクラウド活用も考慮すべきでしょう。
導入検討にあたり、上に記した内容に加えて、次の点にも注意をしてください。
 
・社内の各種業務における機能の有無
・社内システムとのデータ連携方法
・顧客のサービス利用方法
 (顧客にもクラウドサービスをご契約いただく場合があるなど、利用形態を確認しましょう。)

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