KPIを「暗がりに落とした鍵」にしないために
今回の授業の先生
WEB活認定コンサルタント
重藤 進二(しげとう しんじ)
執筆コラム
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今週の授業
Webマーケティングの世界では、成果を生み出す第一歩としてコンバージョン(目標)とKPI(主要業績評価目標)を明確にすることが大事だと言われています。
とはいえ、KPIはコンバージョンを達成するための鍵となる指標ですから、それが分かれば苦労はなく、見つけることは簡単ではありません。
今回は、KPIを検討する上で考慮すべきポイントについて、いくつかお知らせしていきます。
(1)定量的な測定が可能なこと
KPIの結果は数値で表すことが前提です。つまりデータを捕捉する仕組みが必要です。Webの世界では、容易にGoogleアナリティクス等、アクセス解析ツールを使用することができます。しかし、アクセス解析ツールが十分に設定されておらず、データを正しく網羅的に収集できていないケースも多くあります。
Googleアナリティクスの場合では、サーチコンソールやGoogle広告との連携設定や、複数ドメインでサイトを提供している場合の、クロスドメイントラッキングを設定しておくなどといったことがまずは必要となるでしょう。
(2)変化の原因を探れること
「暗がりに落とした鍵」という例えがあります。鍵を落とした所は凡そ分かっているが、暗くて探す方法がないので、光が当っているところばかり探してしまい、結局鍵は見つからないということです。
KPIを設定する上で、これは大事な教訓です。先ほども述べた通り、Webの世界はアクセス解析できる環境がありますが、日常から関心を持っていないと、見えるはずの部分も「暗がり」となり「鍵」となるKPIを見つけられません。
Googleアナリティクス等のアクセス解析ツールを定期的に確認し、「分析する目」を鍛えておくことが重要です。
とはいえ漫然と時間をかけて分析することは得策ではありません。いっぱんには、次のような目的やタイミングで確認することが望ましいです。
・日次
基本的な指標について、前日のアクセス状況との大きな変化(セッション/ユーザ、ページビュー目標の完了数、直帰率など)
・月次~半期
どこに問題があり何を改善すれば良いか、仮説を持ちながら該当箇所を深堀りして分析
・週次~月次
問題と考える部分を深堀り(利用パターン、集客分析、回遊分析、コンバージョン分析)
(3)コミュニケーションが容易なこと
KPIを設定したら、指標の用語や測定方法の定義を、言葉で明確にしておきましょう。
KPIの現状値を改善するた議論が深まってくるとくると、数値の意味合いや、良し悪しの判断について、認識の不一致が起きやすいものです。
KPIを設定する際は、用語集や定義書等を作成しておいて、認識に齟齬があった場合に振り返りができるようにすると良いでしょう。
またKPIの分析結果について、経営者やビジネス部門との報告会や、担当内の共有ミーティングを準備して、定期的にコミュニケーションを図る場づくりも重要となります。
(4)KPIの数に過不足がないこと
コンバージョンを達成するためには、いろいろと改善したい課題が出てきます。とはいえ、あまりに多くのKPIを設定してしまうと管理しきれなくなってしまいます。
人間が瞬間的に記憶できる最大数のことをマジカルナンバーと呼び、7プラスマイナス2程度であると言われています。1つの目的に対するKPIも多くともその程度の数に絞り込んだほうが良いでしょう。
また、KPIの設定に最初に取り組む際には、更に数を絞って、できるところから始めていけばよいと思います。
本当に重要なKPIを見つけらることは、自社のWebにおける「強み」を見つけ「弱み」を克服するきっかけにもなります。
慣れないうちは大変かもしれませんが、じっくりチャレンジしてみましょう。
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