【質問】業務アプリケーションを更改するための判断基準は?
今回の授業の先生
WEB活認定コンサルタント
重藤 進二(しげとう しんじ)
執筆コラム
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今週の質問と回答
【Q】
業務用で15年以上使用しているアプリケーションソフトウェアがあります。
使い勝手は良いですが提供会社のサポート体制が悪くなり、障害時の対応に困っています。
アプリケーションを入れ替えたほうがよいでしょうか?
─────────────────────
【A】
アプリケーションの入れ替えにはリスクが伴いますが、サポートが難しいこと、最近のIT技術の発展状況を踏まえると入替えをすることが望ましいです。
ただし、リスクはありますので、以下のようなポイントを考慮して慎重に判断することが重要です。
———————–
→アプリケーションを入れ替えることのリスク
1. 今までできたことができなくなる
新しいアプリケーションに移行する際、既存の機能がサポートされない場合があります。
特にカスタム機能や業務に特化した機能は、新しいソフトウェアで再現するのが難しいことが多いです。
事前に新しいアプリケーションの機能を十分に検証し、必要な機能が全て網羅されているか確認することが重要です。
2. データが移行できるのか
長年使用しているアプリケーションには大量のデータが蓄積されています。
新しいアプリケーションにデータを移行する際、データ形式の違いや互換性の問題が発生する可能性があります。
データ移行がスムーズに行えるか、移行に伴うデータの損失や不整合が発生しないかを事前に検討する必要があります。
3. 入れ替える工数が大変、更新費用がかかる
アプリケーションの入れ替えには、導入費用や人件費、トレーニング費用などが発生します。
また、システムの移行作業自体も多大な工数を要します。
これらのコストを事前に見積もり、経済的負担がどれほどになるか評価することが重要です。
→それでも入れ替えておくべき理由
1. サポートが受けられる
サポート体制が整っている新しいアプリケーションに移行することで、技術的な問題やトラブルが発生した際に迅速な対応が期待できます。
これにより、業務中断や遅延を最小限に抑えることができます。
2. セキュリティ対策が取られている
古いアプリケーションは、最新のセキュリティ標準に対応していないことが多いです。
新しいアプリケーションに移行することで、セキュリティホールを回避し、データ漏洩やサイバー攻撃からシステムを守ることができます。
3. 新しいIT技術が活用できる
新しいアプリケーションは、最新のIT技術や機能を活用しています。
これにより、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。
例えば、クラウドサービスを導入することで、リモートワークやデータ共有が容易になります。
4. 業務の見直しを通じて、「今までの当たり前」が抜本的に改革できる可能性がある
新しいアプリケーションに移行することで、業務プロセスの見直しが促され、無駄や非効率な部分が明らかになります。
これにより、業務全体の効率化や改善が図れます。
→延命せざるを得ない場合
1. セキュリティ対策を万全にすること
サポートが弱くなっている場合、特にセキュリティ対策を強化することが重要です。
アンチウイルスソフトの導入や定期的なセキュリティアップデートを欠かさず行いましょう。
2. データのバックアップ
定期的なデータバックアップを実施し、万一のデータ損失に備えます。
クラウドストレージや外部ハードディスクにバックアップを取ることで、データ保全を図ります。
3. 故障した場合のバックアッププランを明確にする
システムが故障した場合の対策を事前に策定しておくことが重要です。
代替システムの準備や外部サポート会社との契約を検討し、迅速な復旧が可能な体制を整えます。
4. 現行システムと業務内容をできるだけ見える化しておく
現行システムの仕様や業務フローを文書化し見える化しておくことで、システムトラブル時の対応が迅速に行えます。
また、新しいシステムへの移行を検討する際にも役立ちます。
これらのポイントを考慮し、アプリケーションの入れ替えを検討することが賢明です。
適切な判断を下すためには、リスクとメリットを十分に比較検討して、自社の業務ニーズに最も適した方法を選択することが重要です。
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