新しいGoogleアナリティクス4、その特徴は?

WEB活用の教科書

今回の授業の先生



WEB活認定コンサルタント
松本年史(Matsumoto Toshifumi)

執筆コラム

今週の授業

2020年12月に、Googleアナリティクスの新たな仕組みであるGoogleアナリティクス4プロパティ(以下、GA4)が正式にリリースされました。これまで「アプリ+ウェブプロパティ」の名称でベータ版が提供されていたものが、今回正式版としてリリースされた形になります。
 
このGA4、これまでのセッション(サイトへのアクセス)を中心とした計測から、ユーザー(サイトへの訪問者)を中心とした計測に変わるなど、従来のGoogleアナリティクス(以下では、ユニバーサルアナリティクスと呼びます)と異なる点が多くあります。特徴となる点を、以下に挙げます。
 
■ユーザーを軸とした計測■
ユニバーサルアナリティクスにおいては、各計測の軸となる単位はセッションでした。各セッションに対して「ページビュー」や「イベント」が記録されることによって、Googleアナリティクスのレポートで表示が行われるという形です。
 
一方、GA4では各計測の軸となる単位がセッションではなくユーザーに変更になっており、また記録される対象も「イベント」に統一されています。ユーザーによる“サイトに訪れた”、“ページを遷移した”、“サイトを離脱した”といったサイト内での行動が、全て「イベント」として記録される形になっています。
 
これにともない、GA4では標準で用意されているレポートとして、セッションではなくユーザー(数)を表示するレポートが多くなっています。
 
■Webサイトとアプリを統合して計測■
GA4は、ベータ版の時に「アプリ+ウェブプロパティ」と呼ばれていたことが表すように、Webサイトのアクセスデータとスマートフォンアプリの利用データの両方を1つのプロパティで計測することが出来るようになっています。
 
GA4の管理画面に「データストリーム」という新しい設定項目が追加されており、「ウェブ」「iOS」「Android」と3つの設定を行うことが可能です。
 
「ウェブ」については、GA4用の計測IDをGoogleタグマネージャー、或いはgtag.jsを使用してWebサイトに追加することで、GA4によるデータの収集が開始されます。
 
「iOS」と「Android」のアプリについては、従来から用意されていた計測用の仕組みであるFirebaseプロジェクトとGA4を連携させることにより、GA4によるデータの収集が行われることになります。
 
■追加された分析機能■
GA4では、ユニバーサルアナリティクスにはなかった分析機能が新たに加わっています。
 
<機械学習による予測指標>
Googleの機械学習による、ユーザーの今後の行動を予測する指標が導入されています。現時点では、以下の3つの予測指標が確認できます。

「購入の可能性:今後7日間にユーザーが1回以上購入を果たす可能性」
「離脱の可能性:今後7日間にサイトやアプリでユーザーがアクティブにならない可能性」
「アプリ内購入の可能性:今後7日間にユーザーがアプリ内購入を果たす可能性」
 
<「分析」メニューの追加>
カスタムレポートの機能がなくなり、代わりとしてより自由度の高い分析を行うことが出来る「分析」メニューが追加されました。カスタムのグラフや表を作成して分析を行う「探索」や、目標までのステップを可視化する「目標到達プロセスの分析」など、現状7種類の分析が用意されています。
 
■標準レポートが減少■
GA4では、現状、ユニバーサルアナリティクスと比べて標準で用意されているレポートが少なくなっています。その為、これまでユニバーサルアナリティクスの標準レポートで参照できた情報を確認する為には、上記の「分析」メニューを使ってレポートを作成する必要があります。
 
 
このように、GA4とユニバーサルアナリティクスでは異なる点が多くあります。また、ユニバーサルアナリティクスで蓄積された過去のデータは、GA4に引き継ぐことは出来ず、GA4の利用を開始した時点からのデータしか分析対象に出来ません。
 
その為、当面はGA4とユニバーサルアナリティクスを並行して利用していくことが現実的、と考えられます。
 
既にユニバーサルアナリティクスを利用している場合は、既存のプロパティとGA4のプロパティを簡単に併用することが出来ます。まずはお試し、の感覚でGA4のプロパティ設定を行うところからスタートしていただき、GA4によるデータの蓄積を開始していただくと良いでしょう。

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