優良顧客(リピーター)を囲いこめ
ECサイトを運営していく上で欠かせない活動が「集客のための販促活動」です。
販促活動は大きく分けて3種類のユーザーに対して行います。
一つ目が新規購入者の販促です。過去に接点がなく、今まで購入実績のない新しいユーザーをいかにサイトに誘導するかという活動です。
リスティング広告やSEOなどで集客を行っていくのが一般的な方法です。
二つ目が、潜在顧客への販促です。まだ購入に至っていないが「問い合わせがあった」「メルマガに登録した」「サンプルの申し込みがあった」など、購入に結びつきそうなアクションを起こした潜在顧客に、商品を購入してもらうための引き上げ活動です。
三つ目が過去に購入実績のあるユーザーへの活動です。一度でも商品を購入していただいたことのあるユーザーへリピート購入を促す活動です。
すべてのユーザーへの販促活動も重要ですが、ECサイトを長く安定して運営していくには三つ目のリピート購入を促す販促活動でリピーターを獲得していくことが重要です。
同じお客様に何度も繰り返し購入してもらう、リピーターを増やすことによって、売り上げの安定した店舗運営が可能になります。
なぜリピーター獲得が重要か?
購入者すべてがリピーターになるわけではありませんので、新規ユーザーを獲得していくことも重要です。
しかし、実際にアクセス解析などのデータから、新規ユーザーとリピーターの成約率を比較してみると、圧倒的にリピーターの成約率が高いことがわかります。成約率は下記の計算で算出できます。
成約率(%)=購入件数/訪問客数×100
店舗によって違いはありますが、成約率の差は数倍から数十倍も変わってきます。
新規のお客様に比べ、リピート購入は広告費などの販売コストも少なく済むケースが多く(新規顧客獲得コストと既存顧客維持コストは5対1の割合にもなると言われています)、リピート購入者が多ければ多いほど、安定した売り上げが確保でき、店舗運営は安定していきます。
どのようにリピーターになってもらうのか?
まずは、初回購入時に顧客満足度を高めることからスタートです。
それは、受注から商品発送、受け取りまで何の問題もなく行われるということが大前提になります。
この時点でクレームを発生させているようでは、リピーターの獲得は難しくなります。
クレームがあってもきちんと誠意のある対応を行えば、逆に信用を得てリピーターになるケースもありますが、やはりクレームはないに越したことはありません。バックオフィス体制を見直し、きちんとした顧客対応を行うようにしましょう。
初回購入時にいかにお客様の満足度を上げることができるかが、リピーターの獲得に大きく影響します。
次に、一度購入していただいたお客様へは、販売して終わりではなく、顧客管理をきちんと行いリピート購入につなげるためのアプローチを行います。
メールマガジンなどで追加情報やお得な情報をスケジュールに沿って自動で発信を行います。
お客様が数人程度なら手動でのメールマガジンの発行も可能ですが、実際には一度に多くのお客様へのアプローチを行わなければなりません。
また、スケジュールに沿って定期的にメール配信を行い、リピート購入へつなげていきます。
このように段階的にメッセージを発信する方法をステップメールといいます。
ステップメールの配信サービスを行っている企業も複数あり、料金や機能などそれぞれ違いますので、資料請求や問い合わせなどで内容を確認し、自店舗にあったサービスを利用してみてください。
発信する情報の例としては、
- 商品購入後に口コミをお願い。
- 商品の使い方などの追加情報の提供。
- 定期購入を促す内容のお知らせ。
などがあります。
こういったアプローチでお客様に購入したことを思い出してもらったり、再訪問を促すことができ、リピーターへの引き上げを行います。
ステップメールは、潜在顧客を購入へと引き上げるためにも有効です。
潜在顧客は、何かしら興味があってアクションを起こしているはずです。全くの新規ユーザーに比べて購入につながる可能性は高いです。
まとめ
繰り返しになりますが、ECサイトを安定して運営していくにはリピーターの獲得が重要です。
リピーターの数をいかに増やしていくかで売り上げが大きく変わってきます。
どうしても新規顧客獲得に注力してしまいがちですが、是非、顧客リストをきちんと整理して、購入者への販促活動も積極的に行ってみてください。
特に新規顧客がなかなか増えずに売り上げが伸び悩んでいる店舗ならば、なおさらリピーターの獲得へ力を入れてみてはいかがでしょうか?
新しいお客様だけが、顧客ではありません。また商品を購入してもらったユーザーだけが顧客でもありません。一度でも接点のあったユーザーはすべて顧客と認識して販売活動を行ってみてください。
そして一人でも多くのリピーターを獲得してください。