Webマーケティングに欠かせない指標 “KGI”と”KPI”

Webマーケティングに欠かせない指標 "KGI"と"KPI”

皆さん、「KGI」や「KPI」という言葉はご存知でしょうか?Webマーケティングに携わられている方であれば、多分、一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。企業や組織が行う事業活動においては、何らかの達成すべき目標が設定されているはずであり、その設定された目標に対する成果を計測するための指標として用いられるのが「KGI」と「KPI」ということになりますが、実際にはその違いやどのように設定すれば良いのかを正しく把握していないという方も多いのではないでしょうか。

本稿では「KGI」と「KPI」の違いや設定する際に留意すべきポイントなどについて解説します。

KGI、KPIとは

もともと、KGI、KPIという用語は、BSC(バランスト・スコアカード)という、企業戦略を策定するためのフレームワークの中で用いられていました。今日ではそれが一般化し、目標達成のための指標として様々なシーンで活用されています。それぞれの正確な表記と一般的な日本語訳は、以下のとおりです。

KGI(Key Goal Indicator):重要目標達成指標
KPI(Key Performance Indicator):重要業績評価

Webマーケティングの世界でもKGI、KPIは広く用いられるようになってきていて、今では、マーケティングの成果を検証するために欠かせないものとなってきています。

KGIとKPIの違い

では、KGIとKPIにはどんな違いがあるのでしょうか。まずは以下の例をご覧ください。

図1

図1の例では、「ネット販売20%アップ」がKGIです。平たく言えば「ゴール」ですね。そして、それ以外は全てKPIということになります。KGIを達成するために行う取り組みの状況を、定量的に評価する指標がKPIということになります。つまり、KPIを達成していくとそれが積みあがってKGIが達成できるという構成になります。といいますか、そのように構成するわけです。

KPIとKGI 現状 目標
ネット販売20%アップ [KGI] 10万円 12万円
ネット販売平均客単価 2,000円 現状通り
訪問者数10%アップ [KPI①] 500 550
コンバージョン率10%アップ [KPI②] 1% 1.1%

KPI②のコンバージョン率とは、Webサイトへの訪問数の内、Webサイトの成果=コンバージョンが達成された割合を表します。この例はネット販売になりますので、コンバージョンはサイト上での購入完了、ということになります。その為、コンバージョン率はWebサイトへの訪問数の内、購入完了にまで至った数の割合を表しています。

KGIは「ネット販売20%アップ」ですが、具体的には10万円から12万円の売上アップです。そこで、訪問数を5,000から5,500に10%アップ(KPI①)し、かつ、コンバージョン率を1%から1.1%に10%アップ(KPI②)させられれば、KGI達成というわけです。式にすると、以下のようになります。

現状 :訪問数5,000 × コンバージョン率1%× 客単価2,000円=10万円
ゴール:訪問数5,500 × コンバージョン率(1% + 1% × 0.1)× 客単価2,000円=12万1千円( > 12万円)

KPIツリーと先行指標

図1のように、KPIは通常、複数階層のツリー構造になることが多いです。下位層のKPIを全て達成すれば、上位層のKPIが達成されるというわけです。これは、上位層と下位層のKPIに因果関係をもたせるということに他なりません。下位層のKPIと上位層のKPIの因果関係が明確でなければ、出来のよいKPIツリーとはならず、下位層のKPIを全て達成しても上位層のKPIは達成されない、ということが起こり得ます。

ただし、「明確にする」ということと「結果的に正しい」といことは別物です。例えば、図1の例の場合に「リスティング広告からの流入数200アップ」のKPIの下位層として「インプレッション数10,000アップ」というKPIを設定したとします。クリック率は現状、約2%と仮定すれば、流入数200件アップは達成できるわけです。そこで、新たな検索キーワードを対象に広告を出稿し「インプレッション数10,000アップ」を達成しました。ところが、流入数は100件しか増えませんでした。さて、どうしてでしょう??
もう、お分かりですね。新たに広告出稿したキーワードでは、他のキーワードに比べてクリック率が低かったわけです。
このように、因果関係は明確ではあるけれど結果的に正しくはなかった、ということはよくあることです。そのような場合は、結果を受けて「インプレッション数20,000件アップ」にKPIを設定し直せばよいのです(※あくまでも例なので、広告予算等については考慮していません)。

上記の例では、下位層の「インプレッション数10,000件アップ」というKPIが上位層の「リスティング広告からの流入数200件アップ」というKPIの先行指標となっています。平たく言えば、予測です。想定と言ってもよいかもしれません。予測、あるいは想定通りならば、上位のKPIは達成できるということです。予測、または想定ですから、外れることはありうるのです。

また、仮にインプレッション数が5,000しかアップせず、流入数増が100件にとどまっているような場合には、インプレッション数をもう5,000アップさせるための対策を打つことになります。

KPI設定のポイント

容易に定量的な測定が可能であること
KGI、KPIともに、定量的に測定できなければ意味がありません。
さらに重要なのが、「容易に」という点です。Webマーケティングにおいては、アクセス解析ツールなどによってほぼ自動的に計測できることが理想です。多くの失敗事例に共通しているのが、指標の取得が容易ではなかったという点です。KPIの取得のために多くの労力がかかって疲弊しては、元も子もありません。意外と見落とされやすいので、注意してください。
傾向をつかめること、つかむこと
KGI、KPIともに、時系列で傾向をつかめることが重要です。
一定期間、例えば、1ヶ月間、3ケ月間、1年間などの期間ごとにどのように推移しているのか、その傾向を可視化できる仕組みを設けましょう。その上で、定期的に傾向を確認するようにしましょう。KPIを達成するためには、当然、何らかの施策を行うことが不可欠です。行った施策の効果を、一定期間の傾向によって見極めるようにしてください。

通常、施策の効果が出るまでには一定の時間がかかりますので、一定期間の傾向で判断する必要があります。また、一旦効果が出たように見えても、ある時点からは効果が見られなくなるということもあります。傾向をつかむようにすれば、このような異変も見逃さずに済みます。

傾向を確認した結果、改善傾向であれば実施した施策をそのまま継続すればよいでしょうし、もし一定期間を経過しても改善が見られなければ、施策の見直しを検討する必要があります。

変化の原因を探れること
改善している、悪化している、といった場合には、その原因を分析する必要があります。複数の施策を同時に行って改善を行うような場合、それぞれの施策の効果を分離して把握できるようにするべきです。分離して把握できないと、どの施策がどの程度効果を上げているのかが分かりません。また、継続して改善を行おうとした場合に、どの施策を重視すべきなのかも分かりません。加えて、効果が薄れてきた場合にも、どの施策の効果が薄れてきたのかも分かりません。これでは、せっかくの施策が今後どのように役に立つのか、漠然としてしまいます。当たり前のようですが、意外と起こりやすい事象なので、ご注意ください。

また、突然よくなったり悪化したりした場合も同様です。イベントやキャンペーンを仕掛けたり、メディアに取り上げられたりといったことが考えられますが、それぞれの効果を分離して把握できないと、上記と同様に、これらが今後どのように役に立つのかが判然としません。

適度に先行指標を含むこと
出来のよいKPIツリーには適度に先行指標が含まれていることは、先に説明した通りです。先行指標が含まれているということは、仮説が立てられているといってもよく、やるべきことがある程度まで分かりやすいレベルに落とし込まれている状態にあるはずです。

つまり、「KPIは分かったけど、では、その実現のためにはどうすればよいの」という問いにある程度応えられる状態、ということです。先行指標が著しく足りないKPIツリーでは、「実現のためにはどうすればよいの」という問いに対する答えが見当たらず、絵に描いた餅になりがちです。

まとめ

いかがでしたか?KGIとKPIを正しく設定した上で施策を実行に移すことで、目標達成の確立は高まるとともに、達成までのスピードも速くなります。Webマーケティングの取組においても極めて有効な考え方になりますので、是非、皆さん、今回解説した内容を参考にして、KGIとKPIの設定を行ってみてください。