【質問】そもそも「在庫が多い」とは、どのような状態なのでしょうか？

【Ｑ】
在庫が多すぎると言われました。
確かに、古い在庫が多いようにも思います。取り扱っているものは賞味期限があったり流行があったりというものではなく、販売することは可能なので特に気にしていませんでした。
ただ、置き場所が足りなくなっており、少し整理したいと思います。
そもそも、在庫が多いとは、どのような状態なのでしょうか？
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【Ａ】
取り扱う商品や業種業態によって、在庫の過多は多少基準が異なりますが、在庫の過多を判断する基準として在庫回転率という考え方が利用できます。
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→在庫回転率とは、在庫が１年間に何回入れ替わったかを示す指標です。
　　
→在庫の数で算出することもできますし、在庫の金額算出することもできます。
　　
→在庫金額で算出する場合平均の在庫金額が500万円で年間売上が5,000万円の場合
5,000÷500=10
10回転ということになります。
平均の在庫金額=（前年度期末棚卸金額＋期末棚卸金額)÷2
※売上：売上高、売上原価で算出する場合があります。
　　
→少し古いですが、経済産業省の調査（平成10年）では
　　製造業：9.5回転
　　卸売業：15.7回転
　　小売業：16.4回転
　　飲食業：116.5回転
となっており、上記例の10回転は業種にもよりますがそれほど高すぎるとは言えません。
　　
→また、大手企業よりも中小・小規模企業のほうが在庫回転率は低い傾向にあります。
　　
→在庫回転率は、式のとおり、売上に貢献しているかが分かります。
在庫回転率が低いと売上に貢献しない仕入れが多い、即ちキャッシュフローへの影響が大きいです。
在庫が多い＝悪い
と簡単に言える訳ではありませんが、多すぎる在庫は事業に良い影響は与えません。
　　
→決算の情報から簡単に算出することが出来ます。
まずは、一度計算してみて、どの程度の在庫回転率なのか認識し、在庫の過多を判断することが重要です。