システムの大規模障害に備える

WEB活用の教科書

今回の授業の先生



WEB活認定コンサルタント
重藤 進二(しげとう しんじ)

執筆コラム

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今週の授業

7月19日、セキュリティソフトウェアの不具合が原因で、Windowsに世界的な障害が発生しました。
自社に影響がなかったとしても、取引先や利用するサービスに影響が出たケースもあるでしょう。
  
こうした大規模障害は、ソフトウェアの不具合だけでなく、停電、ハードウェア故障、ネットワーク障害など、原因は多岐にわたり予測できません。
  
ビジネスにおけるITの重要性が増している中、こうした障害が起きれば、業務の停止やお客様からのクレームに発展するリスクがあります。
そうした被害を防止するため、IT部門がない企業でも実践しておきたい対策を以下にまとめました。
  
1. データのバックアップ
定期的なデータバックアップは最も重要です。
Google Driveなどクラウドストレージを利用すれば物理的障害からデータを守ることができます。
クラウドだけでなく、外付けハードディスクにもバックアップを取りましょう。
これにより、二重の保護が可能です。
  
2. できるだけ最新のソフトウェアを使用する
OSやアプリケーション等のソフトウェアは、可能な限り最新のものを利用するようにしましょう。
今回のWindows障害はセキュリティソフトウェアがアップデートされた時点で発生したものですが、一般的には古いソフトウェアを使い続けることで、障害発生可能性やセキュリティのリスクは高くなり
ます。
  
3. 障害発生時の対応手順の策定
システム障害が発生した際に、まずは何をするのか、初動の手順を掲示などしておきます。
例えば、「誰が何を担当するのか」、「誰に連絡するのか」、「優先的に何をするのか」といったことを明確にしておくことで、混乱を最小限に抑え、迅速な対応が可能となります。
  
4. システムが利用できない場合の代替策
システムが利用できない場合は、該当の業務を手作業に切り替えないと業務継続できません。
こうしたバックアップの手順は事前に取り決めておき従業員に事前に知らせておかないと、混乱した現場で業務を回すことは難しいでしょう。
  
5. 外部ITサポートの活用
重要なシステムについては、外部のITサポート会社と保守契約を結び、定期的チェックやメンテナンスを依頼しましょう。
障害発生時に、迅速に対応してもらえる体制を整えることができます。
また、ITコーディネータなどの専門家を確保し、ITに関する問題に相談できるようにします。
信頼できる専門家と契約しておくことは非常に有効です。
  
6. 従業員のITリテラシー向上
基本的なIT知識やセキュリティ意識を高めるため定期的に研修を実施しましょう。
特にフィッシング詐欺やマルウェアのリスクについて教育して、従業員全員が適切な対応方法を理解していることが重要です。
また可能な限りとなりますが、障害発生した場合のシミュレーションを行い、従業員が実践的な対応方法を学ぶことで緊急時にも冷静に対応できるようになります。
  
以上の対策を実施することで、IT部門がない企業でもシステム障害に対して効果的に備え、業務の継続性を維持することが可能です。
具体的行動をとることで、リスクを最小限に抑えましょう。

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