【質問】最近注目の「デジタルツイン」とはどういうもの?

WEB活用の教科書

今回の授業の先生



WEB活認定コンサルタント
上野 貢(うえの みつぐ)

執筆コラム

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今週の質問と回答

【Q】
DXについて勉強をしているのですが、最近「デジタルツイン」という言葉をよく見かけます。
「デジタルツイン」とはどういうものでしょうか。
  
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【A】
  
デジタルツインとは、現実世界を仮想的に双子のように再現し、モニタリングやシミュレーションを可能にする仕組みのことで、2002年に米ミシガン大学(当時)のマイケル・グリーブス博士によって概念が提唱され、2010年にNASAのジョン・ヴィッカーズ氏が 「デジタルツイン」という用語を発表しました。
以下に「デジタルツイン」について詳しく説明します。
  
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→「デジタルツイン」とは
上記の通り、現実世界の物体やシステムをデジタル上で忠実に再現した、仮想的なモデルのことです。
物理的な製品や設備、プロセス、都市、さらには人などのあらゆるものをデジタル空間上にコピーし、リアルタイムにデータ連携することで、現実世界の状況をシミュレートしたり、将来を予測したりすることが可能になります。
総務省が発行している令和5年版情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/index.html)や国交省が発行している国土交通白書2023(https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r04/hakusho/r05/index.html)などでも触れられており、東京都では2030年に実現を目指すとして、デジタルツイン実現プロジェクトが2022年より実施されています。
  
→デジタルツインのメリット
「デジタルツイン」を活用するメリットとしては、以下があります。
  
・効率性の向上:
物理的な試作品や実験を行うことなく、デジタル上でシミュレーションや分析を行うことで、開発や設計の効率性を大幅に向上させることができます。
  
・予知保全:
機械や設備の稼働状況をリアルタイムに監視し、故障や異常を早期に予測することで、ダウンタイムを減らし、生産性を向上させることができます。
  
・最適化:
物流や製造プロセスなどをデジタル上でシミュレートすることで、最適な運用方法を見出し、コスト削減や品質向上を実現できます。
  
・意思決定の支援:
複雑な状況をデジタル上で再現することで、より確実なデータに基づいた意思決定を支援します。
  
→デジタルツインの活用例
デジタルツインは、様々な分野で活用され始めています。
  
1)アメリカのゼネラル・エレクトリック社では航空機エンジンに関して収集しているあらゆるデータに加え、気象状況なども踏まえた仮想空間を構築しています。
その仮想空間においてAIを用いてエンジンの状況を分析することで、メンテナンスが必要な時期を割り出し、保守費用のコストカットに成功しています。
  
2)ダイキン工業では堺製作所臨海工場において、デジタルツインを用いた新生産管理システムを2020年に稼働させました。
そこでは製造ライン上に設置した各種センサーから生体データ、制御データ、温度・CO2濃度データなどをリアルタイムに取得し、デジタルツイン上に反映することで、異常予測機能を用いて重大インシデントを未然に防ぐ仕組みを構築しています。
これにより、前年度比3割強のロスを削減できる見込みとのことです。
  
3)旭化成では2021年福島の水素製造プラントにデジタルツインを導入し、設備異常に適切に対応できるベテラン技術者が不在の場合でも、リモートで対応できる仕組みを構築しています。
  
以上、「デジタルツイン」について説明しました。
デジタルツインは、IoT、AI、ビッグデータなどの技術と連携することで、さらなる進化を遂げることが期待されています。
AIの学習機能により、より精度の高い予測や分析が可能になったり、VR/AR技術と組み合わせることで、より直感的な操作や可視化を実現できます。

また、世界のデジタルツインの市場規模は2020年で2,830億円ですが、2025年には3兆9,142億円に成長すると予測されています。
デジタルツインは社会を大きく変える可能性を秘めており、今後様々なビジネスにおいて競争優位性を獲得するための重要なツールともなります。
またデジタルツインの活用はそのままDXの推進につながり、新しい価値の提供を実現するために必要な技術ともなります。

「デジタルツイン」を活用されることで、みなさまのビジネスの発展につながれば幸いです。

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