マーケティングオートメーション(MA)の活用方法

WEB活用の教科書

今回の授業の先生



WEB活認定コンサルタント
上野 貢(うえの みつぐ)

執筆コラム

今週の授業

webの活用で成果を出すためには集客(マーケティング)活動が非常に重要となります。
さらに昨今のリモートワークの浸透により、顧客が抱える様々なニーズに対して、One to Oneのマーケティングを行うことも必要となってきています。
また働き方改革などにより営業活動にも制限が生じている現状もあります。
そこで個々の見込客に適したアプローチを自動で行うことができるマーケティングオートメーション(MA)が注目されています。
ただ、株式会社Nexalの2021年の調査によると日本においてMAが導入されている企業は上場企業で11.3%、国内全体では1.2%と拡大傾向にはあるもののまだ十分に広まっていると言えません。
そこで今回はこのマーケティングオートメーション(MA)について、その活用方法を説明します。
 

▼MAとは

まずマーケティングオートメーション(MA)とはどういうものかということですが、マーケティング活動を自動化するツールやプラットフォームで、興味や行動が異なる顧客や見込み客に対して、その属性に合わせた最適なマーケティング施策をとることができるものとなります。
MAは1999年にEloqua社(現在はOracle社が買収)が登場して以降アメリカで広まり始めました。一方日本では、2014年に市場で広がり始めました。
営業活動の前段階となるマーケティング活動では、データの抽出や分類、メールや紙の資料の送付など、人手のかかるものも多く、名刺交換やセミナー開催・テレアポ営業など、見込み客との接点も限られていました。
これらを自動化・効率化するのがマーケティングオートメ―ション(MA)なのです。
 

▼MAの機能

それではMAでは具体的にどのようなことができるのでしょうか。代表的な機能についてみていきます。
 
・リード管理機能
リード管理機能とは、その名の通りリード(見込み客)の情報を管理する機能です。管理する情報としては、BtoBの場合では対象企業の企業名、業種、所在地、従業員数、売上、担当
者の氏名、所属部署、役職、メールアドレス、性別、年齢、興味のあることなどとなります。
BtoCの場合では対象となる見込客の氏名、性別、年齢、仕事、役職、居住地、家族構成、趣味・趣向などとなります。
初めて自社サイトを訪問した匿名の見込み客に対しては、Cookieを発行しその後の再訪問時にも継続してトラッキングすることができます。
 
・スコアリング機能
スコアリング機能とは、個々の見込み客の行動に対して重み付けされた点数(スコア)を付与して、案件化の確度を判別する機能です。
スコアリング機能を用いることで、興味・関心の高さを数値として定量化、可視化することができます。そして興味・関心の高い見込み客を成約の可能性が高いとみて、営業と連携し商談に持ち込むといったことに活用します。
 
・キャンペーン管理機能
キャンペーン管理機能とは、条件に合致した見込み客に対し、自動的にマーケティング施策が行われるようにする機能です。
スコアが30点以上の見込み客がサイトの商品一覧ページにアクセスしたら、クーポンをポップアップで表示するような、属性情報と行動情報を組み合わせた条件と対応するアクションを設定することができます。
 
・メールマーケティング機能
メールマーケティング機能とは、メール配信によって見込み客に個々に応じた働きかけをする機能です。例えば顧客ニーズの喚起やニーズの育成、商品やサービスに対するファン化などを行います。
見込み客の属性、状況に応じてメールの内容や配信タイミング、配信頻度を設定することができます。またメールの到達率や開封率、クリック率、コンバージョン率、配信停止率などを確認できるほか、A/Bテストにより、メール内容の効果を比較検証することもできます。
 
・Webページやランディングページの作成支援機能
Webページやランディングページの作成支援機能では、サイトのページやランディングページを容易に作成することができます。
簡単なWebページやランディングページの作成・修正をサイト制作会社などに依頼することと比べ、自分達で作成することはスピード面やコスト面で優れており、マーケティング施策のPDCAをスピーディーに回すことが可能となります。その結果、MAをより効果的に活用していくことができます。
 

▼MAの得意領域

マーケティング活動では、見込み客の状態に合わせた施策の実施です。マーケティング活動においては次の5段階がありますのでそれぞれの段階に応じた施策が必要となります。
<マーケティング活動の5段階>
 ・見込み客の集客
 ・見込み客フォロー
 ・セールス販売
 ・購入客フォロー
 ・顧客化
MAを使えば、見込み客の状態に合わせて分類できるため、見込み客個々にどのような施策をとればよいかがわかりやすくなります。
なおMAにより効果を発揮できる段階は初めの3段階となります。この3段階におけるMAの活用について説明します。
 
・見込み客の集客(リードジェネレーション)
自社の商品やサービスを認知してもらう段階です。
サイトへの訪問やセミナーの参加などにより、商品やサービスに関心を持った見込み客から同意を得て、コンタクトするための情報を取得し、継続的な施策を行っていきます。
この段階では、Webページやランディングページの作成支援機能などを中心に活用します。
 
・見込み客フォロー(リードナーチャリング)
見込み客にさらなる情報を提供することで、商品やサービスに関する興味・関心を高め、購買意欲を醸成する段階です。
コンタクト情報を提供してくれた見込み客に対して、潜在的なニーズを顕在化させることで、よりニーズを高めていくよう顧客を育てます。
この段階では、スコアリング機能によりスコア化した見込み客に対して、メールマーケティング機能やキャンペーン管理機能により見込み客の状態に応じた通知を行うなどが有効です。
 
・セールス販売(リードクオリフィケーション)
見込み客のニーズが高まってきて、いよいよ商談を行っていく段階です。
リード管理機能により営業への情報引き継ぎや、顧客育成から商談への切り替えといった業務を自動化することができます。
  
 
以上、マーケティングオートメ―ション(MA)について説明してきました。
潜在顧客へリーチし、その顧客情報を得るに至ったルート・経緯や、どのような人がどれだけ自社の商品やサービスに関心を持ってくれたか、見込み客は何に関心を寄せどのような行動を取ったのか、サイトへの訪問回数はどれくらいかといった行動履歴をMAでは細かくデータ化することができ、顧客の状況を把握することができます。
これにより、日々の営業活動の効果も見える化され、マーケティング活動のPDCAを効率的に回していくこともできます。
またMAツールを活用して、受注に繋がりやすい見込み客に効果的にアプローチしていくことが可能となり、受注率を向上させ無駄な営業コストを削減することができます。
MAを活用いただくことで、皆様のビジネスの発展につながれば幸いです。

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