【質問】iPhone「Appにトラッキングしないように要求」って?

WEB活用の教科書

今回の授業の先生



WEB活認定コンサルタント
上野貢(Ueno Mitsugu)

執筆コラム

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今週の質問と回答

【Q】
iPhoneでアプリを利用したときに「Appにトラッキングしないように要求」というメッセージが表示されるようになったのですが、これはどういう意味でしょうか。また今後アプリを利用するのに影響はありますか。
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【A】
iPhoneで「Appにトラッキングしないように要求」というメッセージは、多くのアプリ利用時に表示されるようになっています。このメッセージはiPhoneのOS(iOS)14.5から表示されるようになったもので、Apple社がiPhoneに対するプライバシー強化を狙いとして実施したものとなります。ではApple社がプライバシー強化としてどのような対応をとったのか、なぜそのような対応を行ったのかについて、説明します。  
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iPhoneではIDFA (Identifier for Advertisers)と呼ばれる端末を見分けるための識別子が使われています。iPhoneでアプリが利用される際にこの識別子を用いて情報を収集し、アプリに広告を出す際に効果を測定したり、ユーザーごとに広告の内容を出し分けたりする際に利用されています。iOS14.5より前のOSではこの識別子をどんなアプリでも利用できる状態となっていましたが、2021年4月に提供されたiOS14.5からはアプリでこの識別子を利用するにはオプトインと呼ばれるユーザーの承諾が必要な形式に変更されました。
 
「Appにトラッキングしないように要求」というメッセージは、そのアプリがIDFにより情報を収集することを拒否するためのものです。承諾を拒否してもアプリの利用には大きな影響はありません。ただしいくつかのアプリでは識別子を利用してアプリの表示内容や設定を最適化している場合があり、承諾を拒否した場合にはこれらが有効に機能しなくなります。なおアプリが識別子を利用し情報を収集することを承諾する場合は、このメッセージの下に表示されている「許可」を選択します。

それではなぜApple社はこの識別子の利用について、許諾を必要とする形式に変更したのでしょうか。
  
アプリがIDFAを利用しユーザーのいろいろな情報を収集していることはユーザー自身が認識することなく行われていました。一方で近年国内外で個人情報保護の動きが活発になり、ユーザー自身が認識しないまま情報を収集されていることに対して制限を行う法律の制定も行われています。これによりApple社では、個人情報保護の観点からアプリがIDFAを利用する際には、その旨をユーザーに明示した上で許諾を得るように変更を行ったわけです。
 
この個人情報保護の観点から制限を受けているのは、IDFAだけではありません。Webマーケティングで広く利用されているクッキー、特にサードパーティクッキーの利用に対しても多くのITベンダーによって規制を行う動きがあります。サードパーティクッキーが利用できなくなるとWeb広告に大きな影響があるほかGoogleAnalyticsでの訪問者分析などにも影響が出ます。その為、サードパーティクッキーに変わる仕組みの検討がいくつかのITベンダーにて行われており試験的な利用も始まっています。  
 
 
以上、Apple社のプライバシー強化についての説明を行い、さらにその背景とあわせてサードパーティクッキーに対する制限についても触れました。
今後特にマーケティングの分野では個人情報保護の観点から、IDFAやサードパーティクッキーの利用制限により、他の手段による情報収集の仕組みに移行していくことが明らかです。
新しい仕組みとなってもみなさんの事業が変わらず発展していけるよう、どのような仕組みに変わっていくのか注目が必要です。

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