INPの採用によってコアウェブバイタルがどう変わるのか

WEB活用の教科書

今回の授業の先生



WEB活認定コンサルタント
五島 一輝(ごしま かずてる)

執筆コラム

今週の授業

2020年6月より、ウェブページのUXを評価する重要指標である「コアウェブバイタル」が導入されました。
  
その際に導入された指標は以下の3つでした。

  • LCP(Largest Contentful Paint)
  • FID(First Input Delay)
  • CLS(Cumulative Layout Shift)

  
今回、FIDに変わってINPという新たな指標が採用されることになりました。
実際に置き換わるのは、2024年3月からの予定ですが、2023年の後半に、Search Console のコアウェブバイタルレポートに、追加される予定です。
そして、2024年3月頃までは、FIDとINPの両方の指標が確認でき、その後、FIDはなくなることになります。
  
なお、PageSpeed Insights は、すでに INP をレポートするようになっています。
  
そういえば。INPとは何かを説明していませんでしたね。大変失礼いたしました。
INPとは、「Interaction to Next Paint」の略で、ユーザーが起こした操作に反応するまでの時間(遅延)の
ことです。短いほど良いと言えます。
  
実際の評価値は、以下の通りです。

  • 良好:200m秒以下
  • 要改善:500m秒以下
  • 不良:500m秒以上

従った、各ページでINPが200m秒以下となるように調整を試みてください。そして、75%程度のページでは、INPが、実際に200m秒以下になることを目指しましょう。
  
ところで、「コアウェブバイタルは、検索順位にはほぼ影響しないから気にしなくてもいい」と考えている方もいるかもしれません。
  
確かに、今のところ検索順位には影響ないかもしれませんが、そもそも、コアウェブバイタル改善の目的は、検索順位のアップというより、UXの向上にあるのです。
  
つまり、サイト訪問者に、快適な体験をしてもらという重要な目的について、その達成状況をコアウェブバイタルにより定量的に把握する。
このように考るのが適切であろうというのが、私の意見です。
  
GoogleがUXを重視する傾向に、変わりはありませんので、将来、検索順位に反映されるかもしれません。
  
Chatt GPT の登場などにより、検索順位そのものの考え方や価値観は変わっていくかもしれませんが、UXの重要性は不変ですので、コアウェブバイタルを今一度理解し、UXの向上を試みてはいかがでしょう。
  
なお、LCP、CLSについても、解説しておきますので、参考にしてください。
  
LCP:
「最大コンテンツの描画」の意味で、ページの中で最大のコンテンツが表示されるまでの時間を表します。

実際の評価値は、以下の通りです。

  • 良好:2.5秒未満
  • 要改善:4秒以下
  • 不良:4秒を超える

  
CLS:
「累積レイアウト変更」の意味で、「ページコンテンツの視覚的な安定性」表します。
ユーザーが何らかの操作をしようとしている時、上部に画像などが少し遅れて出現し、本文が下にずれるなど、予期せぬレイアウトの変動がどの程度発生したかを測る指標となります。

実際の評価値は、以下の通りです。

  • 良好:0.1未満
  • 要改善:0.25以下
  • 不良:0.25を超える

  
いずれの指標も、「良好」「要改善」「不良」の3段階で判定してくれますので、「不良」と判定されたページや、できれば、「要改善」と判断されたページも含め、調整することをおすすめします。

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