カスタマージャーニーマップはこう活用する!

WEB活用の教科書

今回の授業の先生



WEB活認定コンサルタント
上野 貢(Ueno Mitsugu)

執筆コラム

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今週の授業

Webマーケティングにおいても有効なツールとして最近広く利用されているカスタマージャーニーマップですが、作ってはみたけれどどう活用したらいいか分からないという方も多いようです。
またコロナ禍において人々の行動が大きく変化するなかでカスタマージャーニーマップの見直しも必要となってきています。
そこで今回はカスタマージャーニーマップの作成や活用のこつについて説明します。
 
▼カスタマージャーニーマップとは 
改めてカスタマージャーニーマップについて簡単に説明しておきます。
カスタマージャーニーマップは、顧客の購買行動(カスタマージャーニー)を見える化し顧客満足を高めるための施策を検討しビジネスの発展に活かして行くツールです。カスタマージャーニーマップでは顧客の行動をフェーズに分けて落とし込み、その行動に対して顧客と接点となる場面(タッチポイント)や顧客の思考と感情を明らかにし、顧客にどのように対応するのかを検討し明らかにしていくものとなっています。
 
▼カスタマージャーニーマップを作成する際のコツ
カスタマージャーニーマップを作成する際には次のことを意識することが重要です。

  • カスタマージャーニーマップの作成は社内の関係者の多くが関与するようにします。そのことで社内関係者の顧客に対する行動の共有が図れ効果的な顧客対応が可能となってきます。
  • カスタマージャーニーマップを作成する前提となる想定顧客(ペルソナ)は具体的なものとします。自社の顧客の平均像を作るとか抽象的な人物像に留めるとカスタマージャーニーマップも抽象的なものになり、具体的で効果的な施策を検討することができなくなります。
  • カスタマジャーニーマップの目的(顧客行動のゴール)を明確にし、顧客の行動スパンを短期とするのか中長期とするのかを決めておきます。これにより記載のブレを無くすようにします。
  • 顧客の行動や思考、感情を考えていく際に自分達の思いを入れないようにします。カスタマージャーニーマップを作成する際にどうしても自分達ならこうするとかこうして欲しいという内容になりがちですが、あくまで顧客観点でどう考えどう感じどう行動するのかを落とし込んでいくようにします。
  • 顧客の行動を考える際にはその顧客の思考や感情の変化(行動に移る要因)を合わせて考えるようにします。そうすることで効果的な顧客への対応施策が検討できます。
  • ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成は顧客調査・分析を行った上で作成すべきですが、顧客調査・分析ばかりに時間をかけてしまいがちです。まずは仮説ベースでいいのでカスタマージャーニーマップを作成することが重要です。

 
▼カスタマージャーニーマップを利用する際のコツ
カスタマージャーニーマップを作成した後には次のことを確認していくことが大事になってきます。

  • 顧客の実際の行動におけるフェーズやタッチポイントに変化がないかを見ておきます。変化が現れてくるとマーケティング戦略の見直しも必要となってきます。
  • 実施している施策の効果を見ていきます。施策の効果がない場合は、施策として提供している情報や体験が妥当なものなのか、提供タイミングは問題ないのか等を確認し施策の見直しを行います。
  • カスタマージャーニーマップにないタッチポイントが存在していないかを確認します。カスタマージャーニーマップ作成時には気が付かなかったタッチポイントがあればそのポイントに対する施策を検討する必要があります。
  • 作成するカスタマージャーニーマップは現状(As-Is)のものである場合が多いと思います。現状のマップだけでなくあるべき姿(To-Be)のマップも作成し両者のギャップを見てみます。そうすることで、現在の顧客に本当はどう行動して欲しいのかが浮き彫りになり、その為の施策を検討することができます。

 
以上、カスタマージャーニーマップの作成や活用のコツについて紹介しました。カスタマージャーニーマップは顧客の行動を把握することが目的ではなく顧客を育て顧客の行動を変えてビジネスを成功させることを目的として利用すべきツールです。
 
顧客の行動が大きく変わっていく中でビジネスを成功に導くツールのひとつとして検討して頂ければ幸いです。

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