【質問】パスワードの定期変更はしない方がいいって本当ですか?

WEB活用の教科書

今回の授業の先生



WEB活認定コンサルタント
五島 一輝(ごしま かずてる)

執筆コラム

今週の質問と回答

【Q】
パスワードは、定期変更を求める必要がない、というより、むしろ、求めてはいけないって本当ですか?
─────────────────────
【A】
パスワードは一定期間ごとに変えるべき」という考えは、かつての常識でした。しかし、最近では「定期的な変更はかえって危険を招く可能性がある」として見直されつつあります。
  
なぜ定期変更を求めてはいけないのでしょうか?
  
パスワードの定期変更には、以下のようなデメリットがあるからです。
  
●予測しやすいパターンが増える</strong>
頻繁な変更を求められると、多くの人が簡単で予測可能なパターンを使い始めます。
攻撃者にとっては、むしろ解読しやすい状態になります。
  
●ユーザーが負担の重さに耐え兼ね、安易な手段に走りやすい
頻繁な変更はユーザーにストレスを与え、「使い回し」や「紙に書く」など、本来避けるべき行動を誘発しやすくなります。
  
こうした理由から、現在では「強いパスワードを一度設定し、安全に管理する」ことが推奨されています。
最新の考え方では、パスワードの定期変更は、「推奨はしない」から「求めてならない」と、より強く、避けるべき要求とみなされています。
ただし、パスワードの漏洩が疑われる場合は、例外です。
この場合は、迅速にパスワードを変更する必要があります。
  
  
パスワードは長さが重要である
  
パスワードの強度は「長さ」で大きく変わります。
以下は文字数ごとの強度の違いの例です。
(数値はあくまで計算例です。参考に願います)
  
●8文字のパスワード(例:abc12345)
総当たり攻撃による解読時間:数秒〜数分
現代の計算能力では、8文字はほぼ「簡単に破られる」部類です。
  
●12文字のパスワード(例:mypassword12)
総当たり攻撃による解読時間:数日〜数週間
安全性は向上しますが、さらに長い方が理想的です。
  
●20文字のパスワード
(例:ILikeTacosEveryTuesday)
総当たり攻撃による解読時間:数千年
これほど長いと、現実的に解読するのは不可能に近いです。
  
パスワードの強度を高めるには、長さが最も重要です。
現在では、15文字以上が推奨される長さとなっています。
結構、長いですね。
  
  
多数の文字種の混在の強要も避ける
  
パスワードを登録する際、「大文字、小文字、数字、記号を必ず含める」といったルールも、パスワードの定期変更を求める場合と同様、「予測しやすいパターンが増える」、「ユーザーが負担の重さに耐え兼ね、安易な手段に走りやすい」といったデメリットがあり推奨されません。
  
結論としては、「自分だけが覚えやすく長いパスワード」を作ることが大切ということになります。
文字種に特にこだわる必要はありません。
  
  
おすすめのパスワード生成法
  
では、長くても覚えやすく強力なパスワードをどのように作れば良いのでしょうか?
その例をいくつか示します。
  
  
●フレーズ型パスワード
自分に馴染みのある複数のフレーズや言葉をつなげます。
例: 「369hiknoCatswokaimasita」
日本語のローマ字表記はもおすすめです。
一部、フィクションを入れたり。
  
●自分の好きなランダムな単語の組み合わせ
自分の単語をいくつか組み合わせることで、推測されにくくなります。
例: 「IkuraRogumaDorayaki」
3つ程度がいいでしょう。
そのうちの一つを逆読みにしたり。
(Maguro→Roguma)
  
●パスワード管理ツールを使った無意味な文字
パスワード生成ツールなどで、無意味な文字列を生成し、記憶はツールに任せます。
例: 「xZ!4%9Lm@kR」
パスワードの強度は非常に高まりますが、パスワード管理ツールの利用が必要でしょう。
  
パスワードにおいて最も重要なのは、「長さ」です。
十分な長さを確保しましょう。一方、定期変更や多数の文字種の組み合わせは不要です。
  
また、「管理のしやすさ」も重要ですので、長くて、自分だけが覚えやすいパスワードを生成し、それを適切に保護すれば、大切な自分だけのパスワードを長く使い続けられます。
ぜひ、今回の記事を参考にして、より安全な自分だけのパスワードの生成してみてください。
  
このメルマガが、皆様のデジタルライフのお役に立てば幸いです。

-->「WEB活用の教科書」バックナンバーを見る

無料メルマガ「WEB活用の教科書」購読申し込み

お名前とメールアドレスと入力して[無料メルマガを購読する]をクリックすると、中小企業~個人事業主がWEBを活用してビジネスを展開するために必要なノウハウをお届けする無料メルマガ【WEB活用の教科書】を毎週水曜日にお届けいたします。いつでも配信解除ができますので、お気軽にご購読ください。

    氏名 必須

     

    メールアドレス 必須